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横濱ジャズ研 特別講義 「ジャズサンバ」

連投になりますが、そえぢです。

先日行われた第16回横濱ジャズ研-4周年での特別講義の内容とDJとして今回かけさせていただいた曲をまとめてみました。
ぶら商がいつも言ってる「ジャズサンバ」ってなんぞや?てかたは今後の参考にしていただければとおもいます!!


第16回 横濱ジャズ研 特別講義 ~ジャズサンバ~

1950年代後半から1960年代アメリカでjazzがハード・バップからフリージャズへと進化を遂げていた頃、一方でアメリカ人ギタリスト、チャーリーバードの渡伯を期にボサノバに注目するジャズミュージシャンがアメリカ国内で続出する。

Eydie Gorme(イーディー・ゴーメ)「Blame It on the Bossa Nova」
Stan Getz(スタン・ゲッツ) 「Jazz Samba」「Getz/Gilberto」など

■ジャズサンバの登場
同じ頃、ブラジルのリオデジャネイロのナイトクラブでは若きミュージシャン達によるセッションが盛んに行われていた。
その中にはアントニオ・カルロス・ジョビンとともにボサノバの歴史に名を刻んだSergio Mendes(セルジオ・メンデス)、ブラジルを代表するギタリストBaden Powell(バーデン・パウエル)、ボサノバ創設の原動力となるドラマーMilton Banana(ミルトン・バナナ)、名ピアニスト、作曲者としても名を残すLuiz Eça(ルイス・エサ)、Tenorio Jr.(テノーリオ・ジュニオール)、Don Salvador(ドン・サルヴァドール)、 後にBossa Tresを率いる名ピアニストLuiz Carlos Vinhas(ルイス・カルロス・ヴィーニャス)などがいた。

アメリカジャズ界のボサノバへの流れに触発されたこれらのミュージシャンが自らがリーダーをつとめるバンドを続々と開始する。これがジャズサンバの歴史の始まり。

■ジャズサンバの特徴
アメリカのハードバップの影響を大きく受けたブラジル人アーティストによる独特のアレンジで、圧倒されるようなサンバのグルーブとジャズのインプロビゼーションをうまく融合させた音楽。
ボサノバとは違い、ドラムのハイハットやライドシンバルそしてリムショットから生み出されるグルーブ感と緻密かつ豪快なアレンジは譜面には書き表すことのできない一体感を作り出す。

■ジャズサンバのグループと人物

~Rio de Janeiro ~

■Tenório Jr.(テノーリオ・ジュニオール )
様々なセッションで活躍していた彼が若干23歳で書き上げた最初で最後のリーダー作。
ブラスセクションを積極的に取り入れた今作品であるが、その中でもピアノトリオで挑んだ2作品が他曲の追随を許さない。
近年サンプリングネタとして話題となった「Nebulosa」そして一番の最高傑作といえば「Fim De Semana Em Eldorado 」だろう。
しかし今作品で忘れてはいけないのがドラムのMiltom Banana(ミルトン・バナナ)の存在である。彼のハイハットワークから生み出されるグルーブ感、豪快なプレイなしではこのような存在感のある曲には仕上がらなかったであろう。
embalo.jpg Neblosa / Embalo '64

■Tamba Trio(タンバトリオ)
ピアノのLuiz Eça(ルイス・エサ)、ベース&フルートの Bebeto Castilho(ベベート・カスチーリョ)ドラムのHélcio Milito(エルシオ・ミリート)からなるコーラスを取り入れたバンド。
コラースの音の構成からもわかるように非常にクラシカルなアレンジが特徴。
ドラムにはグルーヴするハイハット、ライドシンバル、ジャズサンバドラムの代名詞であるリムショットがこのバンドにはない。 竹ブラシ(ほうき)を使用した独自のドラムキット(タンバ)を使用。
tambatrio1.jpg O Barquinho / Tamba Trio '62

■Milton Banana(ミルトン・バナナ)
Antônio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン)、João Gilberto(ジョアン・ジルベルト)、Stan Gets(スタン・ゲッツ)、といったボサノバを創設したといわれる彼等のバックで軽快なドラムを叩いていたのがこのミルトン・バナナ。
そんな彼がついに64年に自身のピアノトリオを結成する。
ボサノバのスタンダードを多く選曲する彼らだが、曲のメロディーを最大限に生かしつつも、メンバー独自の即興性に満ちあふれたミルトン・バナナトリオワールドを作り出す。特に誰よりも熱く即興性に満ちあふれたミルトン・バナナのプレイは以降様々なアーティストに影響を与えることになる。
zaP2_G1203752W.jpg Primitivo / Milton Banana Trio '65

~São Paulo(サンパウロ)~

■Sambalanço Trio(サンバランソ・トリオ)とセザル・カルマゴ・マリアーノ
Cesar Camargo Mariano(セザル・カマルゴ・マリアーノ) Piano
様々なアーティストとバンドを組む一方でエリス・へジーナ、ジョルジ・ベン、渡辺貞夫などとの共演やガル・コスタ、ナラ・レオンなど様々なアーティストのアレンジを担当するブラジル音楽界の重鎮。
MPBの女王エリス・ヘジーナと結婚。彼の娘であるMaria Ritaも絶大な人気を誇る名アーティストである。

Humberto Clayber(ウンベルト・クライベール) bass
Jongo Trio、Sambrasa Trio、Sambossa5など数多くのバンドで演奏。
ジャズサンバ界を代表するベーシスト。

Airto Moreira(アイアート・モレイラ)drums
アメリカへ渡りマイルス・デイビス、ウェザーリポート、リターン・トゥー・フォーエヴァーなどフュージョン界を代表するパーカッショニストとなる。

Sambalançoとはサンバとスィング(葡語:バランソ)との造語。
独特の洗練されたスマートなグルーヴとテクニックが特徴。
音楽的主張の強い3人の中でもセザル・カルマゴ・マリアーノのピアノの主張は特に強い。
メンバーの後の活動を見るとジャズサンバ界屈指の名バンドといえる。
Dale E O Sambalan?o Trio Quem É Homem Não Chora-Berimbau / Lennie Dale E O Sambalanco Trio '65
アメリカ人アーティスト、レニーデイルとサンバランソ・トリオのコラボレーション音源。
レニーデイルは様々なミュージカルの振り付けを担当する傍ら、ミュージシャン、俳優としても活動。
ジャズサンババンドのBossa TresやTrio 3Dとの共演もはたした名ボーカリスト。
このアルバム全編エンターテインメント性を意識したアレンジによって構成され、こんなショーが見たかったと、ため息が出るほど完成された楽曲が並ぶ。

■som 3(ソン・トレス)
サンバランソ・トリオのピアニスト、Cesar Camargo Mariano(セーザル・カマルゴ・マリアーノ)が、Jongo Trio(ジョンゴ・トリオ)のベーシストSabá (サバー)、ドラムのToninho(トニーニョ)の二人と結成したピアノトリオ。彼等の台頭により即興性からアレンジ重視の時代へと流れが変わっていく。
som3.jpg Cidade Vazia / som/3 '66

■Manfredo Fest (マンフレッド・フェスト)
Bossa・Rio(ボッサ・リオ)でのキャリアで有名な盲目のピアニスト。
数あるジャズサンバのバンドの中でもアレンジング関していえば彼の右に出るものはいない。その細かいアレンジによって完成された数々の曲は、原曲を超えるほどの名曲として今なお人々の心を掴んでやまない。
MANFREDO-FEST-TRIO.jpg Estamos aí / Manfredo Fest Trio '65

■Zimbo Trio(ジンボ・トリオ)
当時数多くののジャズ・サンバのバンドが存在したと言われているがが、現在まで残る唯一のトリオが、64年にデビューを飾った、ジンボ・トリオである。
ピアノのアミルトン・ゴドイ、ベースのルイス・シャビス、ドラムのルビーニョ・パルゾッティ。残念ながらベースのルイス・チャベスは2007年に他界したが、その年の秋には新しくベーシストを向かえ活動を開始していた。
有名アーティストからバックバンドとしての絶大な信頼を寄せられてたことからわかるように、とても洗練されたサウンドをもつバンド。様々なジャンルの音楽を取り入れつつも3人がうまく絡み合う心地いいサウンドに仕上げる超技巧派バンド。
zimbotrio_.jpg O Morro No Tem Vez / Caminhos Cruzados '95

■ジャズサンバの衰退

実はこのジャズサンバ、60年代後半には終わりをむかえた短命なムーブメントであった。その要因となっものをいくつかあげてみたいと思う。

・1965年軍事政権の誕生
そんな時代の中で「軍政批判」を歌詞にのせたMPBが大衆の人気を集める。政治的メッセージの薄い音楽、特にインストゥルメンタルであるジャズサンバは大衆にうけいれられなくなる。

・ミュージシャンの国外流出
これらによってミュージシャンたちは仕事を追われ、MPBミュージシャンのバックバンドを務めたり、アレンジャーへ転向したりするミュージシャンもいたが、大抵のミュージシャンはアメリカ、フランスなどへ渡った。

・エレキ化そしてフュージョンの台頭
60年代ビートルズの影響により楽器も進歩(エレキ化)し、それによって誕生したフュージョンは60年後半、ジャズサンバ界をも巻き込むことになる。

■ブラジルジャズシーンの今
ジャズサンバからコンテンポラリーな音楽へと形を変えているが、ジャズサンバのミュージシャンの魂はいまだにブラジルジャズシーンで生き続けている。
Jazzとの融合は形、名称を変えながらも今なお続いている。

■Hamleto Stamato Trio(アムレット・スタンマト・トリオ)
ピアノにHamleto Stamato(アムレット・スタンマト)ベースにはAugusto Mattoso ドラムにErivelton Silvaをむかえ往年のジャズサンバの要素も引き継ぎつつアムレット・スタンマトのテクニックを惜しげもなく注ぎ込んだこのバンドの演奏は、ジャズサンバ好きはもちろんジャズが好きな方でも十分楽しめる。
DVD版を含めると現在まで4枚アルバムを発売している。5枚目の収録は既に終えているハズなのだがまだ聞くことはできない。 いや、聞きました。。
実は、ぶらじる商会のピアニストなつみの懐にはSpeed samba Jazz5が。
昨年渡伯を果たした彼女は、彼とお会いしている。セッション、BBQまでしたようで、そのときいただいた録りたてホヤホヤのCDがそれだ。なんともうらやましい。
ブラジルから写メが届いた時の悔しさは忘れられない。
Hamleto Stamato Trio_ Desafinado / Speed Samba Jazz2 '05    Image495.jpg

■Claudio Roditi(クラウディオ・ロディッティ)
リオで生まれ育った名トランぺッター。
バークリー音楽大学を卒業後、活躍の場をNYへ移しアメリカジャズシーンで活躍を続ける。
ブラジル音楽の要素をベースにしたジャズのスタンダードを聞かせてくれる。
ブラジル人のミュージシャンをそろえた今作品は、熱いグルーブ感と彼の実力が堪能できる。
roditi.jpg Impressions / Impressions '06

■Nosso Trio(ノッソ・トリオ)
Nelson Faria(P)、Ney Conceicao(ba)、Kiko Freitas(ds)
João Bosco(ジョアン・ボスコ)のバックバンドとしても有名なギタートリオ。
驚愕のハイクオリティー・ブラジリアン・ミュージック。Kikoのドラムはサンバそのもの。
聞くたびにため息しか出ない。
ntvento2.jpg Brooklyn High (Partindo Pro Alto) / Vento Bravo '06


参考リンク
ブラジル民族文化研究センター 「ジャズ・ボッサトリオの台頭した1960年代」 
Clique Music



そえぢ




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